鹿児島で革製品のオーダーメイド制作をしている
皮革工房 凜の前田梨絵です。
革はお好きですか?
わたしは大好きです!
お客様に「どうして革職人になったのですか?」っとよくご質問いただきます。
一般的に、好きになるのに理由なんて無い
とよく聞くように 理由が見当たらず、
あまりうまく表現できていませんでした。
…が、
好きと感じる理由を
ココロに手を添えて
ゆったりとした気持ちで考えた時に浮かぶ思い。
今回は、私が革が好きな理由を綴りたいと思います。
経年変化(エイジング)という言葉を耳にされた事はございますか?
革には使うほどに色が濃くなったり、
柔らかくなったり、
布などにはない、革特有の変化をします。
新品の革製品はもちろん、とても素敵なのですが、
使うほどに馴染んで、
使う人の個性に染まっていく。
使う人も、そんなアイテムに愛着を抱き、
人生の相棒のような存在になっていく。
私は革のそんな不思議な魅力の虜(とりこ)になりました。
もともと、モノづくりが好きで、
いろいろなジャンルの手作りをしていたのですが、
革の制作(レザークラフト)は、
とても奥が深く、そして難易度が高いと感じる部分が多々ありました。いや、あります!現在進行形で未だに学んでいる部分も多々あります。
イメージしたものを制作したい。
……でも、うまく行かない。
トライ&エラーの繰り返しでした。
※こちらも現在進行形ですがね…。費やした時間の分
魅了されたんだと思います。
革の経年変化には
色が深く・濃く変化したり、
キズがのちのち味だと感じられたり、
馴染んで柔らかくなったり…などがあります。
私は、
人生もこれに似ているな。っと感じていて、
キズ(=苦い経験)ついても
後々、あの経験があったからこそ今の自分に役立っていると思う事があります。
恋愛の苦い思い出。
仕事の失敗。
その時は涙が止まらないような辛い経験。
その時はとても辛いけれど、
時間が経ってからは良い経験だったと思えたり。
歳をとって丸くなる。というのは、
革が柔らかくなるのと似ているなと感じます。
人生は奥深く、味わい深い
革を通して感じていただけたら幸いです。